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ヴァケイション

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 一行は車で高速道路を走っている
 乗っているのは おれと おれの家族だ。
 おれたちは 二〇〇九年の夏を
 避暑地 長野で すごすのであった。

 おれは お盆にもオケの部活があるのを 気にもとめず
 すべてを投げ出して 安息地へと おもむいたのだった。

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 我が家の車には ETCがついている
 なにをかくそう このETCは 最近ようやくつけたばかりなのだ
 初めての ETCゲートの通過に
 おれたちは 興奮を隠しきれない。

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 車が近づくと 自動的に
 二本の棒が両側に持ち上がりゲートが開いた
 おれたちは 思わず感嘆の声をもらした。
 自分たちが 特別な待遇をうけているようで
 とても心地いい。

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 しかし冷静に考えると お金はチャント取られているのだ。

 三時間ほどの運転のあと 目的地に到着した。
 おれの父親の父親が建てた このオンボロコテエジは
 築三十年を期して 今年 外側のペンキが塗りかえられたのだ。
 家はみちがえるように きれいになっていた!

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 しかし部屋の中は 以前のままの 虫のはびこる空間だ。
 ここにいると 家中のスキマから 虫が這い出てきて
 まるで 覚せい剤の 禁断症状かと思われる。

 それでも ここで二週間
 娑婆を脱して のんびりできるかと思うと・・・
 とてもうれしい。

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 しかしおれは学生だ
 学生には 夏休みの宿題というものがあって
 わけのわからない数学の問題を
 やたらめったらに解かねばならないのだ。
 この快適な山奥にいるうちに 60ペエジの問題集を一冊
 片付けないと
 帰ったときに地獄が待っている。

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 おれは数学が苦手だ
 死んだおれの父親の父親は 建築を専門にしていて
 数学が大好きだったという
 彼が生きていればおれも 目から鼻に抜けるような
 カシコイ理系人間になっていたかもしれないのだ。

 しかしそうでない今のおれは 救いようの無いヘタレ文系くんである
 問題集を一問解くごとに 本棚から本を取り出して読み
 ブンガク青年を気取って 悦に入っている。

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 おれはノートパソコンを持ってきていた
 ネットにつなぐ環境はないが パソコンがあれば
 このパソコンを使うことによって パソコンで作曲ができるのだ。
 涼しげで酸素の多い 森の空気を吸いながらだと
 作曲という創作行為も とてもはかどるのである。

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 ああ・・・このまま帰らずにずっと
 この山奥で創作活動をしていたい・・・
 そんな気持ちをいだきながら
 いま話題の初音ミクをつかって
 作った曲がこれである。

 ■「帰ってねたい」


 朝めしは 森にかこまれたヴェランダで
 夜めしは 雨戸を閉めて家族でだんらん
 昼は毎日のように 近くの焼肉屋に通い
 牛肉を むしゃむしゃと喰らった

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 それだと太ってしまうので 朝と夕方の二回
 おれは家の周りの区画を散歩した。
 ふだん運動を スズメの涙ほどもやらないおれは
 ちょっとした坂道でも 息切れがする。

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 トンボだ!
 散歩道のとちゅうで トンボをみつけた。
 指をくるくるとやって 捕まえようとするが すぐ逃げられる。
 ようやく 一匹だけつかまえることができた。
 このドンくさいおれに捕まるトンボは
 よっぽどドンくさいのだろう。

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 小学生のときは そこまでドンくさくもなかったので
 よくこのトンボを 弟と2人で 大量に捕獲して
 羽根をむしったり 水責めにし 動けなくなったものを
 Tシャツにびっしり貼り付けて帰宅し
 母親を絶叫させたりしたものである。

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 散歩道にはうんこもあった
 幸いにして人間のうんこではなかった。
 この別荘地には 犬を飼っている人が多いのである。
 うんこには ハエがたかっている。
 弟の通う学校の とある生物教師は ハエを飼っていて
 ときどき生徒に見せびらかし その可愛さをアピイルしてくるという。
 どんな先生だ。

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 夕方になると 父親と弟は
 拾った薪を燃やして 焚き火をする。
 枯れ枝はGWに来たときに だいたい燃やしたので
 夏場は 薪といっても生木が多く
 おまけに 雨が降ったりしたので
 なかなか豪勢に燃えてくれないようだ。

 そこでおれは 足しになればと思い
 絵の練習をした紙を 一枚ずつクシャクシャと丸め
 火に放り込んでいった。

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 この努力が ケムリとなって 空にとどけば
 少しは絵もうまくなるのではないかと
 あらぬ期待を いだいていた。

 紙だけが黒くなり 生木には燃え移りもしなかった。


 夜は 花火をやった
 手持ちが数本 ヘビがたくさん
 線香花火も たくさん
 そして ひとだまくん。

 おれはヘビ花火が好きだが
 それ以上にこの「ひとだまくん」という花火が とても好きだ
 緑色のアヤシイ薬品を 針金の先の綿にふくませ
 ロウソクで火をつけると
 ボワッと緑色の火の玉が 宙に浮かぶ
 灯りの少ない山奥でやると
 さながらホンモノのヒトダマのようだ。

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 線香花火を しゃがんで眺めていると
 地面を クモが這っていた
 足をひっ捕らえて ロウソクに投げ込むと
 まず細い足が一本 じゅるりと燃え
 今度は本体が パチ パチ という音を立てて 火を出した
 「クモ花火だ」「クモ花火だ」
 おれは弟と 子供の残忍さを取り戻して 笑いあった。

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 とある日の夜 部屋のビール箱の前に
 でっかいカマドウマがいるのを 母親が発見した。
 カマドウマが何なのか おれはよく知らないが
 その外見は ウイルスのT2ファージにそっくりだ。

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 母親は前に この家で 布団に入っていたとき
 夜中にカマドウマに顔面を歩かれて 悲鳴をあげたという。
 そんなトラウマをもった母親は
 カマドウマをみると ヒステリックになり
 掃除機で吸引しろと おれに命じた。

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 それ以外にも 例年通り何度も 虫に悩まされた。
 小さいハサミムシは ティッシュでつまみ
 ハチのような飛行物体は 窓から逃がし
 でかいクモや蛾は 掃除機で吸引した。

 掃除機の中身を想像すると 怖い。
 這い出てくるんじゃないかと考えると もっと怖い。
 クモには怨まれているだろうし。

 そんなこともあったが 二週間
 おれは休みを満喫し ついでに問題集も片付けた
 疲れのとれた晴れ晴れとした気持ちで 車に乗って帰り
 こうして今 くだらない絵日記を
 自慢げに書いている。

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 関東地方に帰ってから
 気付いたことが ふたつある
 ひとつは セミがうるさいこと。
 もうひとつは
 数学の宿題は他にもあった ということだ。

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アラスカ愉快

 ジャケット

 昇龍ゾンビ 2nd Album
   ~アラスカ愉快~

 前作《長崎デボン紀ホテル》が一部に絶賛されたイカレ系音楽ユニット「昇龍ゾンビ」、待望のアルバム第2弾!
 聴き通せばきみもユカイな気分になれたりする。


  ■ダウンロード [arasuka.zip / 25.6MB]


 2009.8
 Artist: zombie
      satsumaimo
      registance
      arara
      loki
      habuton
      M59 (Track 20)

 《収録曲》
 01 デカメロン
 02 まゆげ
 03 サービス残業TIKUVI
 04 ヘヴィゾンヴィメタル
 05 じゃん☆けん☆ぞん!!
 06 アーサー王と円卓のゾンビ
 07 BIG FULL ZOMBIE
 08 ジンクス
 09 コックローチ・ホイホイ
 10 右手の歌クロニクル
 11 ゾンヴィラジオ3~ブツダン~
 12 ポンゴレスはいけない子
 13 ZOMBIRTHDAY
 14 ロンドンゾンビ堕つ
 15 熊サンド
 16 ゾンビサンバ
 17 情緒なきカレー屋
 18 無常といふ事
 19 ゾンビコンサート~口の中のparallelworld~
 20 ミミカユ

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