スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

同時代ゲーム (新潮文庫)同時代ゲーム (新潮文庫)
(1984/08)
大江 健三郎

商品詳細を見る

 江戸時代に藩に追放された武士団が、山奥につくった独立国家、その神話と歴史を、シスコン主人公が妹に向けて延々600ページ語りつづけるという小説です。
 破天荒でナンセンスな神話と、主人公自身のその文化人類学的解釈、そして、一揆や、大日本帝国との戦争のエピソードにおける、外部世界の歴史とのつながりが、翻訳調で同じことを何度も繰り返すクドイにもほどがある文体によって、ぶつかり合い、渾然一体となって展開する。戦争のくだりなど読んでいると、大日本帝国側の≪無名大尉≫は、村人たちの作戦に滑稽なほど翻弄されっぱなしで、最後には神聖な森ごと焼いてしまう。反近代とか、アナーキズム思想を主張しているのかもしれませんが、一言でいうと、やりたい放題の小説でした。筒井康隆がおすすめしていたので読んだのですが、うなずける。
 建国の神話では、川を遡りつづけた先の、巨大な岩と汚臭のする泥濘を、爆薬でぶっ飛ばす。その後50日間臭くてたまらない雨が降り続き、下流の城下町は洪水で壊滅し、武士団たちも滅亡の危機にさらされる。しかし雨がやむと、泥濘はすっかり乾いた大地となっていて、そこから村の歴史がはじまる。このように、いかにも神話的なエピソードに、当然のように爆薬とか出てくるところ、異質でクレイジーな民族のように語られる村人たちの歴史に、外の文化のアイディアが普通に混ざりこんでいるという違和感が、楽しい。

アメリカ性革命報告 (文春文庫 (330‐1))アメリカ性革命報告 (文春文庫 (330‐1))
(1984/01)
立花 隆

商品詳細を見る

 セクシャル・マイノリティの現代史について調べ学習している一環で読んだ。さまざまな統計だけでなく、週刊誌の読者投稿欄の声を引用しまくるなどして、アメリカの性の実態はどうなのか、性解放は本当に一方向的に進んでいるのか、と問うものですが、過激な話いっぱいで、エンターテインメントです。

大いなる助走 <新装版> (文春文庫)大いなる助走 <新装版> (文春文庫)
(2005/10/07)
筒井 康隆

商品詳細を見る

 筒井康隆が直木賞をとれなかった腹いせに書いた文壇カリカチュア小説。私欲うずまく同人作家たち、カス人間な文学賞の選者たち、作者お得意の激うざいヒステリー女の描写、そして破れかぶれなラスト、すべて筒井康隆の真骨頂ドタバタ劇でありつつ、文学とは何か、辛辣に問題提起する作品でもあります。
スポンサーサイト

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。