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独文独歩 54

 トルストイ
 『戦争と平和』

 抜き書きとメモ

 ――
 アンドレイはクトゥーゾフの副官。戦況を伝えるため若いフランツ皇帝(神聖ローマ帝国最後の皇帝(~1806)、オーストリア皇帝1835まで、メッテルニヒと組んだウィーン会議の主宰者、反動政策。フランツ・ヨーゼフとは別人)に単身で謁見。何時に出発したかとかどうでもいいことを熱心に聞いてくる。

 ――
 ワシーリイ公爵(外交家)の息子アナトーリ(乱暴者)。老公爵ニコライ・ボルコンスキイ(偏屈で金持ち)の娘マリヤ(不器量で敬虔)。との縁談。
 嫌がるマリヤにおめかしをさせるリーザ(小柄で元気。アンドレイの妻。妊娠中にやつれる)とブリエンヌ(フランス女の侍女)。

 「もし誰でもこうして黙ってるのが、きまりが悪いと思う人は、どうぞ遠慮なくお話し下さい。ただし私はいやですよ。」とでもいうようなふうつきであった。/アナトーリの沈黙

 社交から遠ざかっていたニコライ家の女三人は三様に媚を示す。とくにブリエンヌは「哀れな母」の空想に心酔し、アナトーリとさっそく密会。それをマリヤが見つけ、人のいいマリヤは自分の縁談を断り、二人を結婚させてやりたいと願う。

 ――
 ニコライ・ロストフの負傷(じつは軽傷)と昇進の手紙。仮寓中のアンナが母に話す。
 やんちゃな末息子ペーチャ、姉たちのメソメソをからかう。
 恋人ソーニャ。
 ナターシャはボリスを忘れ、イタリア人の歌教師に惚れている。
 
 彼女の顔には困難な切断手術を終えて、自分の技術を驚嘆させるために参観者を導き入れる、外科医にも似た誇らしい表情が浮んでいた。

 返信といっしょに軍装用の六千ルーブリを近衛軍宛に送る。

 ――
 ロストフは普通師団の軽騎兵(ただし仕送りは誰よりもいっぱいある)として、副官のアンドレイは一目見て軽蔑したくなる。アンビヴァレンツ。
 しかし閲兵式のとき皇帝を見て感動し、決闘を申込むのはやめる。

 それはなんだかラッパ手などの吹奏ではなく軍隊自身が(若いアレクサンドル一世)皇帝の接近を喜んで、自然に発した音のように思われた。

 ウラー!
 皇帝のそばに醜い負傷兵がいると「侮辱されたような気が」する
 皇帝はショックを受けたふう。御不例

 「なあ、出征中は誰も惚れる相手がないので、この男、陛下に惚れちゃったよ。」/ジェニーソフがロストフに。
 かのアウステルリッツの戦いに先立つ数日間はみんなこんな感激に酔いきっていた。
 ウルムの会戦(オーストリアの負け。ナポレオンはウィーンのシェーンブルン宮殿に入る)の報復という形。

 ――
 軽蔑的な口のきき方をしようと思った時いつもするように、ロシヤ語をフランス風のアクセントで発音しながら、アンドレイ公爵はこう言った。

 「不文律の階級序列」を意識するボリース

 ――
 時計の歯車のような軍事のメカニズム。「伝達の一分前まで平然として静止している」
 時計において無数のさまざまな歯車や、滑車の複雑な運動の結果が、たんに時を示す針のゆるやかな正しい運動にすぎないと同じく、これら十六万のロシヤ、フランス両軍の活動の複雑な結果(…)も、たんにアウステルリッツの戦い(…)の敗北にすぎなかった。とりもなおさず、人類史の文字盤における、世界歴史なる指針のゆるやかな移動にすぎないのである。(1. p.496)

 ――
 軍事懐疑、老人派(クトゥーゾフ)の慎重論に対して若者派(ビリービン、ドルゴルーコフ)の決戦論が勝つ。ナポレオンは決戦を恐れて会見を申込んだりしているのだと考える。
 ヴァイローターの作戦命令書の読み上げ。隻眼のクトゥーゾフは寝ており、終わると起きる。

 それはちょうど、子守唄に似た粉挽車の響きの絶えた時に眼をさます、水車場の主人に似ていた。彼はランジェロンの言葉に耳を傾けたが、まるで「ああ、君たちはやっぱりそんなくだらんことを言ってるのか!」というように、急いで眼を閉じていっそう低く頭を垂れた。

 早く寝たいということになりアンドレイは自分の意見を開陳させてもらえない。

 ――
 早朝の霧の深さ。どこに行くかも分からない。焚き火の煙や硝煙が目に染みる。
 行軍が渋滞。憤懣を味方のドイツ人たちへ転嫁。腸詰屋め!
 士気阻喪。司令官たちも作戦に不満なので激励しない。
 霧が晴れると、川のこちら側、目と鼻の先にナポレオン軍がいる。窪地=霧の海へ下るロシア軍を待っていたのだった。
 不意を突かれて敗走するロシア軍の中、軍旗をもってアンドレイ突進。しかし棒で殴られて仰向けに倒れ、空を見て悟りを開く。そこにナポレオンがやってきて「見事な死にようだ!」捕虜になる。しかし高い空と比べるとナポレオンが小さいものに思われる。見込みのない負傷者として土地の住民に世話をまかされる。

 ――
 右翼に対する命令を皇帝に聞きに行くロストフ。しかし味方は負け、皇帝が意気消沈しているところに話しかけられない。

 凍った池の上を通って逃げようとするが全員溺れる。

 ――
 ドーロホフに間男疑惑をいたき決闘で撃つピエール。そのあと妻エレンと喧嘩して別れて出ていく。
 駅の待合室でフリーメーソンの老人に会う(アダムの首の指輪)

 フリーメーソンの男[=バズジェーエフ]は注意ぶかくピエールをうち眺めて微笑した。それはあたかも、いく百万の富を握っている長者が「私には五ルーブリの金もありません。それがあれば幸福になれるんですが。」と訴える貧民に、微笑してみせるようなあんばいであった。

 ペテルブルクで入信の儀式。目隠し、脱衣、貴重品の譲渡、剣の突きつけ、光、三組の手袋。ワシーリイ公爵の申し出もはねのけて南方へ。

 彼が結婚してしまって、娘や母親たちにとって期待することが少しもなくなってしまうと、彼は一時に社交界の評判を失墜した。そのうえ、彼は社交界の好感を求めることがへたで、しかも、それを望もうともしなかった。

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 ドーロホフとニコライとソーニャの三角関係。結婚拒絶されたあとドーロホフがニコライをカードで四万三千ルーブリ負かす。
 ジェニーソフがポーランドのマズルカを踊ってナターシャを引き回す。彼はのちに軍隊で食糧トラックを強奪する。

 ――
 ボリースの出世。エレンとお近づきになる。
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