美を理解しない人の美術館紀行

東京都美術館 フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち
東京国立博物館 対決 巨匠達の日本美術
国立西洋美術館 コロー 光と追憶の変奏曲
を、いっぺんに観てきました。


フェルメール展。光の天才画家というだけあって光の描き方がすばらしいのは分かるのですが、意図的に歪ませた透視図法とか、人物の細部をみると、妙な違和感を感じる。たとえば「小路」の建物はハリボテみたいに見えるし、全体として妙に不自然な風景画にみえる。同じ歪んだ透視図法のある作品でも、この間来日してた「牛乳を持つ女」とかではその効果で画面の均整さがとれているような印象があったのですが、この絵の場合は単に歪ませただけで、それが良い効果になってないような気がするのは、僕の感性が変だからなのでしょうか。
ワイングラスを持つ娘」の左手なんか、異常に太いししかもベタ塗りに近く、どうみても不自然。その他のフェルメールの作品も、何か腕の長さの比率とか太さがヘンにみえる。素人が名画にケチつけてんじゃねえ!なので、とりあえず、当時の娘の腕はこんなんだったのかと思っておくことにしました。
それはともかくとして、そんな素人がみても、やっぱり光の使い方が絶妙な効果を与えまくりんぐなのはわかります。
リュートを調弦する女」がなんだか暗いけど明るくてお気に入り。


巨匠対決のやつ。かなり充実した展示でした。混んでいる上、観に来ている人の平均年齢が大分高い。どちらも北斎展の時ほどではないけれど。
蕭白の「群仙図屏風」の迫力がすごかった。色づかいが鮮やかというか気持ち悪さ、グロテスクさを引き立たせています。「寒山拾得図屏風」もおもしろい絵でした。「唐獅子図屏風」の竜がなんだか困ったような顔をしてるようにみえる。「鼻毛が鼻に刺さったぁぁぁ!」
茶碗の魅力は若造にはよくわからんのでいつか理解できる日を心待ちに保留。
芦雪の描いた虎は何だかかわいい。
雪舟の「慧可断臂図」とか、教科書にものってる有名なのもみてきました。
どれも面白かったのだけど、宗達と光琳の「風神雷神図屏風」が期間外でみられなかったのが残念です。8月11日から17日(最終日)までとのこと。


昼食のあとコロー展。きれいな風景画や人物画。さっきのような違和感も感じずに、美しい森の絵を目の栄養にして帰ってきました。


ところで、実は来週からしばらく《隣接する県がもっとも多い県》に行ってくるので、リアルで目の栄養が補給できたりします。ただし森というか林。松とか白樺ばっかりだ。
しかしどんなに目と耳の栄養を補給しても、自分がつくるものは目と耳の毒になるものばかりなのであった。めでたしめでたし
「いや、それは違う。お前のつくるものは毒にも薬にもならない」
めでたくなかった。